馬酔木の花

春の日差しの下、今、馬酔木(あせび)の花が咲いています。春の開花がありがたいこの季節であっても素通りしてしまうほど、実に地味です。その小さな花序につらなるプチプチは、外国のお姫様のバルーンスリーブのような形をしており、見れば見るほど可愛らしい!

読んで字のごとく、馬が酔ってしまうほどの毒性があると言われてます。特別な成分を含んでいるのでしょうか、近づいて香ってみると、確かにスパイシーな香りがします。昨年、製作のために馬酔木を観察して以来、彼らのことがとても好きになりました。

、、、むむ、この香り、なんだか覚えのある。

偶然、家の窓辺に置いてある瓶の中に、その覚えのある正体を発見しました。

これはどちらで手に入れたものだったかな?どちらというのは、二つ心当たりがあり、いずれのものかは思い出せません。10〜15年前の錯綜した記憶をかき分けてみました。(可能性1)ニューヨークでバッグを作り始めたころ、マンハッタンのガーメント地区のアフリカンのビーズ屋さんで買ったもの。(可能性2)ケニアのマサイ村にて、バザールで買ったもの。

アフリカ産の芳香性植物を練りこんだビーズなのだという説明を受けながら、売ってくれた女性がビーズの束を私の手においてくれたシャラシャラした粒の音の感覚だけは覚えており、渡してくれた大きな手の色は思い出せません。

10年ぶりくらいに蓋を開けたら、ほのかにスパイシーな香りが漂ってきました。馬酔木の香りはこれとどこか似ている。全く同じではないのだけれど、似た成分があるのかもしれません。

可愛い馬酔木への思いをつたえたかったせいか、バッグはよいできばえで我ながら気に入っています。素敵な香りをありがとう、そしてあなたの存在感を大切にしたいと伝えたかったんです。