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川村記念美術館とアメリア・アレナス ①

川村記念美術館が来年2025年1月に休館するというニュースを聞き

驚きで一瞬判断がつかなかったのですが

次第に「ロスコ・ルーム」のことが頭をよぎり

無くしてはならない貴重なものは

あの庭園や建物あっての美術館であると確信し

移転を反対する署名活動にサインをしました。

 

署名はこちらからできます

 

川村記念美術館は敷地内の広々とした自然豊かな庭園が何といっても魅力で

例えば美術館からカフェへの移動中も木々に囲まれた環境で余韻を楽しめます。

この余韻がむしろ尊いのかもしれません。

 

川村記念美術館の中でも特に有名なのが

Mark Rothkoの絵画のみが鑑賞できる

ロスコ・ルームです。

 

美術館のホームページのロスコ・ルーム

 

絵画を鑑賞するというよりはむしろ神秘体験する空間で

画面上や紙面上では決して伝わらない

この空間内でのみ色彩体験をもたらす

特別なお部屋なのです。

 

 

「ロスコ・ルーム」にはMark Rothkoの大きな絵が7枚飾られています。

アメリカの抽象画家たちが

言葉で表せない溢れる感情を

形や色による視覚的な詩として探求していた

1950年頃の絵です。

そんな彼らの探究心や心情、時代背景を

想像せずにはいられません。

 

5分佇んでいると、誰でも不思議な感覚に包まれるはず。

私は中央の椅子に座り7枚の絵を数分ずつ観て移動しました。

好きな絵はどれだろう?

薄暗い室内なので目が慣れてくると次第に色が移行していく。

音楽によって癒されるのと同じように視覚から解きほぐされる。

原初的&神秘的なビジョンの追体験かもしれない、

私は母胎の中という表現がとても相応しいと思いました。

 

ロスコカラーに染まった心身は、

自然豊かな庭園でお散歩して

時間とともに自らの奥底に浸透していきます。

この庭園がもたらす色止め効果が

とても重要な気がするんです。

 

 

一旦、部屋を離れてランチと庭園を散歩を経て

再びロスコルームを体験し

身体に浸透させました。

二度染めしてるみたいだなあ。

 

あの空間の有機的な感覚は今でも蘇ります。

誰ともシェアする必要のない

目を瞑ると蘇る感覚をもたらす経験の積み重ねが

江戸時代から続く味噌屋の室内に

発酵に必要な微生物が宿るように

蓄積されていくのだろうなと勝手に思ってます。

 

さて、なぜ川村記念美術館に行くことになったのか。

きっかけとなった本を次回ご紹介したいと思います。