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幸せのお裾分け

鹿児島の知的障がい者支援施設しょうぶ学園の作品たちは、子供の笑い声のように奔放、色彩豊かでユニーク。Eテレの日曜美術館でその美しい縫い物と刺繍の芸術作品が紹介されたとき、制御不能なほど欲しくなったのには自分でも驚きました。

私が恋に落ちたnui projectの作品たちはしょうぶ園のウェブサイトで紹介されています。

近くで展覧会などあれば必ず訪れたいと思ってはいるものの、なかなか機会は来ず待ち焦がれています。ほとんどが売り切れでしたが、小さな作品たちがWEB STOREで販売されていたので素敵な一品を購入しました。

購入した木工作品が届いて手にした時、

嬉しくて仕方ありませんでした。

だってだって、見て見て、この形と色。

効いてるね!赤いラインと青いライン。
(背後のayay bag、同じ色でそれも嬉しい)

そして、ちゃんと機能的なデザインに仕上がっています↓

しょうぶ園の凄さを感じます!どれほど作家さんたちを理解されているのか、プロデュースする施設の方々の力量&センスが伝わってきます。施設の代表、福森伸さんのnui projectに関する言葉をご紹介します。

「作者の意図が素材や題材に優先して制作を進めるのではなく、素材の偶然性やそのつど生まれてくるかたちによって作者がその素材の特性に逆らわずに積み重ねていく行為がここにはある。 全体構成やゴールが見えず、一見計画性がないが、実に親密な繊維との絡み(素材への従属)による「表現の解放」がある。 そして、伝統的な刺繍という概念を軽快に無視しながら針と糸が進めていく形は、現実的には非常に狭い範囲である種のパターンが構成されているようである。 しかしその狭い範囲の構成が連続(継続)していくことによって変化が起こり、変容を生じさせ加速する。 そしてダイナミックで永遠とも思える展開を見せていく。視覚の中の狭い範囲から離れず、全体構成を意図しないからこそ生まれてくる展開は自然の美しさにも似ている。 その人の感覚やこだわりによる「縫う」という行為そのものが素材の持つ可能な限りの「強いできごと」を出現させている。 それは、作者が「創り出す作品」よりも「創り出すための時間と行為」に幸福を感じているからである。 制作の現場では、外部の影響を受けず自分が他に対する影響など意に介さない作者たちの針と糸という空間を独り占めにする事ができる能力に魅了され続けている。(福森 伸)」

福森さんと作家さんとの繋がり、物と作家さんとの濃密で幸福なやりとりがこめられた、この手のひらサイズの作品。これは幸福のお裾分けよね。

私はお道具入れに使います。気持ちも引き締まるし、癒される。